驚いた。

甘ちゃんの要でもやはり男だ。

これ程の腕力があったとは。

殴られて地面に尻餅をつきながら、紅は思う。

頬は腫れ上がり、美人が台無しになってしまった。

それでも意に介さず、紅は立ち上がる。

「完全に来生は死んだ。これで未練はなくなったろう?」

「っ……!」

ふてぶてしい紅の態度に、要は歯噛みする。

一発では足りない。

もっと殴ってやりたい衝動に駆られる。

が、それも叶わなかった。

校門が一際大きく軋む音を立てた。

同時に横倒れになり、轟音を上げる!

遂にゾンビの群れが、校門を突破した!