「…っ…」
あまりにも不憫で、何か声をかけようとする要を。
「……」
紅が制し、静かに首を横に振る。
…何を言おうというのか。
勿論家族や愛しい者を喪ったのは彼だけではないだろう。
だから何だ?
『辛いのはお前だけじゃない、だからメソメソするんじゃない』と叱咤するのか。
誰にそんな事を言う権利があるものか。
彼から家族を奪ったのは、あまりにも理不尽な暴力だ。
謂れもなく、突然の嵐のように過ぎ去った災厄によって、何よりも大切なものが皆殺しにされる。
その計り知れぬ悲しみと絶望は、他人如きが癒せるものではない。
何も言わず、何も言えず。
要達は、塞ぎ込んだ男性のそばを通り過ぎる他なかった。
あまりにも不憫で、何か声をかけようとする要を。
「……」
紅が制し、静かに首を横に振る。
…何を言おうというのか。
勿論家族や愛しい者を喪ったのは彼だけではないだろう。
だから何だ?
『辛いのはお前だけじゃない、だからメソメソするんじゃない』と叱咤するのか。
誰にそんな事を言う権利があるものか。
彼から家族を奪ったのは、あまりにも理不尽な暴力だ。
謂れもなく、突然の嵐のように過ぎ去った災厄によって、何よりも大切なものが皆殺しにされる。
その計り知れぬ悲しみと絶望は、他人如きが癒せるものではない。
何も言わず、何も言えず。
要達は、塞ぎ込んだ男性のそばを通り過ぎる他なかった。


