地上のいたる所に徘徊するゾンビ達。

その圧倒的な大群から逃れる為に地下街のルートを選択した芹達だったが、ここにもまた安全な場所など有りはしなかった。

人間の入れる場所には、当然の如くゾンビも存在していた。

地下街という閉鎖的な空間は、寧ろ行動範囲を限定されてしまう。

逃げ場も限られてしまい、芹と小川は退路を阻まれながら必死で脱出口を探していたのだ。

「!」

芹の持つレミントンM700も弾切れを起こす。

狙撃銃というのは、元々装弾数が少ない。

大量殺傷用の銃火器ではないからだ。

軽く舌打ちしながら、迷彩服のポケットから7.62ミリNATO弾を取り出す芹。

埒があかない。

まともに相手していては、弾薬が幾らあっても足りなかった。