車窓を流れていく街の惨状を見つめながら。

「紅さん…」

要は小さく呟いた。

「俺は…間違っていますか…?」







その日、要は初めて『生存者』を見殺しにした。

救えたかもしれない命を見捨てた。

…守りたい命の為に、もう一つの命と天秤にかける。

この世界は、そんな絶望に満ち溢れてしまっていた…。