Escape from the DEAD second night

「おら、何ボサッとしてんだ」

紅を背後から抱きかかえて包丁を突きつけたまま、男は要に言う。

「てめぇは車を降りろ。女と車は俺が頂く。おぅ姉ちゃん、てめぇもその日本刀をこっちに寄越しな?」

「くっ…誰が…!」

こんな下衆な男の言いなりになどなってたまるものか。

紅は抵抗の意思を見せるが。

「うっ!」

プツッと、肌を突き刺す感触。

包丁の切っ先が僅かに紅の喉元に刺さり、赤い血の筋が流れ落ちた。

「姉ちゃん、勘違いすんなよ?俺はお願いしてんじゃねぇ。『命令』してんだ。三度目は言わねぇぞ。日本刀をこっちに寄越しな?」

「紅さん」

要が首を縦に振る。

「くそっ…」

苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、紅は大人しく腰に下げた日本刀を男に差し出した。