Escape from the DEAD second night

「いやぁ…助かったぜ。アパートに住んでる男を片っ端から殺して食料を奪って、若い女を片っ端から犯して殺して…死体を外に放り投げて捨ててたら、そいつらがゾンビに齧られて感染して生き返りやがってよ…アパートを出るに出られず困ってたんだ」

紅の背後に回り込み、彼女を抱きすくめるようにして包丁を首筋に押し当てた男が言う。

「あのゾンビ達は…お前が殺したアパートの住人なのかっ?」

「ああ、問題あるか?」

要の問いかけに、さも当然とばかりに答える男。

「ゾンビが徘徊しているイカれた世界なんだ。法律やモラルなんて守っても仕方ねぇだろ?」

「お前…!」

信じられない思いで、要は男を睨んだ。

「何をやっても許される世界に変わっちまったんだ。折角だから無法地帯をたっぷりと謳歌しねぇとな。人殺しも強姦も許される世界だ。この世の終わり万歳だぜ」

(腐ってる…!)

ハラワタが煮えくり返るような思いだ。

要は認識する。

終わってしまったこの世界で、要達の敵となるのはゾンビだけではなかったのだ。