ドキドキしながら、階段の上の見えない所に隠れて、聞き耳をたてる…


何ともいやらしい気持ちの自分が嫌だったが、やっぱり気になって。


「沙織が気にする事じゃないって…大丈夫だから…」


「だって…智則はそれでいいの?私やっぱり無理だよ」


「まずは今日帰り話そう。誰かに見られるとマズイから~」


ゲゲゲっ!マズイのは私…


とんでもない事を聞いてしまったような~


沙織に見つからないように、その場を離れた。


確かに聞いた。


いつもはちゃん付けで呼んでる智則は沙織。


相崎先輩ではなく、智則って呼んでた…


ヤバすぎる!


沙織は授業開始のチャイムと同時に教室に入った。


いつも身が入らない授業…


今は、本当に授業どころではなかった。


いつもは長い授業も、考え事のせいか、短く終わった。


頭の中では、何度もヤバすぎる!という言葉がグルグルしていた。