沙織はまだ少し元気はないようだが、学校に来ていた。


拓也との約束通り、今は黙って知らないフリ。


これが雪乃にとって、一番難しい演技だった。


「おはよ~沙織!風邪良くなったぁ~?」


「おはよう。大分ね~昨日はどうだった?」


ドキッとした。


「どうって…」


「拓也から連絡なくて…相崎先輩からは入ってたんだけど…拓也が雪乃送って行ったから心配するなって…」


「うん…あぁ…送ってもらったよ。沙織の彼氏なのに、毎日ごめんね~」


何だかとってつけたような言い方になってしまった。


「雪乃何か今日変じゃない?」


「えっ!そんな事ないって~はははっ」


いつもの自分らしくなかったかも…