「定岡、僕は君を消したくはないんだ。
紘奈と一緒に惑星になってほしくもない。
定岡にはもっと普通に生きていてもらいたいんだよ」



定岡は僕の言葉を聞いて、呆れながら笑った。



「はぁ?吉岡、お前何様だよ。俺はマイナリーになるため、紘奈サンとひとつになるために生まれてきたと言っても過言じゃない。なのに惑星もつくらない、俺と戦わないってどういう事だよ」

「………」



まるで駄々っ子のようなわがまま。

だけどこれが、僕の決めた結末。


なにも言わない僕に、定岡はバカにしたような笑みを浮かべた。



「はーん、わかった。お前俺と戦うのがこえぇんだろ。喧嘩なんかしたことないだろうしな。
俺はこの場所でたくさん痛い目見たぜ?知ってたか、ここの名前“ハート”って意味は“傷付ける”、“Hurt”なんだってなぁ!」



定岡が勢いよく飛びかかり、僕の頬を殴り飛ばした。

だけど、痛覚はもうなかった。