「あー、噂をすれば智也~」 「あれ、玲奈は?」 そう、長峰の隣にいつもいるはずの玲奈が見当たらない。 「あぁ、途中まで一緒に来たんだけどさ、『家に忘れ物して取りに帰るから先に待ち合わせ場所行っててー』って言ってすっとんでった」 『すっとんでった』って(笑) ま、玲奈っぽいっちゃ玲奈っぽいか。 「でも、それが10分以上前のことだから、そろそろ着くんじゃね?」 ウィーン 長峰の言葉と同時に、息を切らして自動ドアを通ってくる人が見えた。 「玲奈~~」