「え―――」 「どういう、こと?・・・私だって、『早瀬』なのに」 春樹のケータイに登録してある私の名前は、『瑠璃』でも『早瀬瑠璃』でもなく、『早瀬』だった。 それは付き合う前に登録したからだってわかっているけど・・・。 もしかして、『真央』さんが特別なの? 春樹のほんとの好きな人は、私じゃないの? 『真央』さん、なの? 「ごめん、ちょっと、今日は帰る」 そう言って、私は春樹の家を飛び出してしまった。