「あぁ、今日は二人で温泉旅館に泊まってくるってさ。だからそんな気にすることねぇって」



気にするわっ!



両親ともにいないってことは、この家に二人きり。



泊まってくるってことは、帰ってくることはない。



・・・やばくね?



「ん?どした?」



考え込んでる私をおかしく思ったのか、春樹が顔を覗き込んできた。



いきなり映りこんできた春樹に、やっぱりドキドキしちゃう。



「いや、お母さんとお父さん、ほんとに仲いいんだねー」



「うーん、こっちとしてはいい年して恥ずかしいよ」



春樹の部屋へ、階段を上る。