「俺、早瀬が好きだよ」



!?



「何冗談言って―――」



「冗談なんかじゃない。だからさっき中原と一緒にいるところ見て、自分が抑えられなかった。・・・好きなんだよ」



桐生が・・・私を?



だって、桐生には他の人がいるじゃん!



「由理香は?」



私の質問に、桐生は少し息を吐いてから答えた。



「中学生の時のこと?あの時は、確かにあいつが好きだったと思う。けど、高校生になってからはなんか違くてさ・・・。ずっとお前のことばっか考えてた。・・・ダッセーよな?バラバラになってから気づくなんてさ」



これは、現実のことなの・・・?



「昨日の祭りん時も、早瀬と目が合うたびに緊張してさ。それで目は逸らすんだけど、でもやっぱり見つめてたくなって、また見ちゃうんだよな。・・・こんなの、お前にだけだよ」