これを、目に焼き付ける。 桐生と過ごした日々を忘れないように。 好きっていう気持ちがもし無くなっても、中学生の一生懸命だった恋を忘れないように。 たとえそれが、かなわなかった悲しい恋でも。 『早瀬瑠璃』 『はい』 自分の番も終わって、卒業証書を手に席につく。 さようなら。 それは、親友たちに向けたものなのか、自分の恋する気持ちに向けたものなのかはわからない。 けれど、何度でもつぶやく。