「泣くな、あほ」 こんな私の涙を拭ってくれる。 「その代わり、ぜーったい幸せになれ」 目線を私にあわせて、真剣な瞳で凌は言った。 絶対幸せに… でも真也には今他に大切な人がいる― 「…うん」 凌の言葉に小さく返事を反して、窓の外に広がる暗い空を見上げた。