君がいた町




「ったく、居なくなったからむっちゃ心配してんで?」


そう言って凌くんは私をそっと抱き寄せた。


「…凌くん?」


暖かい感触。


「あっごめ…」

その感触はすぐに離れていった。



「ううん、ありがと…」


涙を拭って笑った。