拾った瞬間 ――目が合う二人。 時間が流れているのさえも わからない。 呼吸さえできないくらい 胸がぎゅうぅっと締め付けられる 頬を赤く染めながら 雄大くんに近付いて腕をのばす 「…け…携帯っ…」 「………あ、ああ。 ……さんきゅ……」 「……あ……ううん」 軽く頷いた後、振り返るあたし。 ぎゅっと瞳を閉じる ――――やっぱり やっぱり……… 好き。 あたしはこの人が好きだ。 .