「─────奈美───。」

愛しい人の声。








低くて甘い声──────。
















「─よ……陽汰!」

「あーぁ。逃げたぢゃん。」

「ひ…酷いこと言ったからあの子逃げたんでしょぉが!!」

ポカッ



あたしは、陽汰の頭を叩いた。


「いてぇ。っつうか、奈美さぁん。力強くなってない?!」


「なってないよぉ?(笑)」

「…その微笑み…全然信用できねぇ──────」


「まぁまぁ、気にすんな。ってか、女の子泣いてたらどぉすんの?彼女なんでしょ?」


「────彼女ぢゃねぇよ────俺の心の彼女は奈美だぁ」


…え?


「やだよ。嘘の彼女なんて…」

「嘘ぢゃないよ?」

「セフレはやだもん」

「セフレぢゃねえよ…」


「と…とにかくやだよ。」

「───一哉がまだ好き?」