ネオン街を更に奥へと進んでいった所でようやく麗華が働く店<DOLLS>の看板が見えた。





店の中からはまだ眩しい程の光を放っていて中に人が居る事が店の外からでも確認できた。




派手な赤い絨毯が敷かれた階段を上り店の中へと足を踏み入れた。




いかにも女らしい甘い匂いが漂う店内はホストクラブとはまた一味違った雰囲気を醸し出していた。





派手な色のドレスを着た女達が俺の姿を見るなり瞳を輝かせながら傍へ近寄って来た。




「えっ!もしかして…琉依くん?どうして此処にいるの?」


「琉依くんが、うちの店に来てくれるなんて超嬉しい〜っ♪」





女達は口々に言いながら嬉しそうに騒ぎながら俺の傍へと近寄ってきた。




いつだってそうだった…




この世界の人間は皆、琉依としての俺しか見ていない。




俺の外見と、俺の地位に惹かれ…全てを手に入れている俺に愛されたいと願うのだろうか。




でも俺はもう愛してるフリをするつもりは全く無い。




今まで散々騙して利用しておきながら…余りにも自分勝手過ぎるだろうけど、俺にはもう自分の欲を果たす為だけの嘘の愛など必要ない。