俺は殴り掛かってきた男の拳を手の平で掴んで睨みつけた。




胸倉を掴まれた状態でお互いに睨み合っていた所に




「琉依さん!…大丈夫ですか!?」




偶然やって来た隼人が慌てて制止に入ってきた。




「隼人!大丈夫だから店に戻ってろ」


「でも…琉依さんが…」


「いいから戻れ!」




隼人は戸惑いの表情を浮かべたまま渋々返事をして店へと戻っていった。





隼人にも店の人間達にも余計な迷惑を掛けたくはない。




<shelter>のNo.1ホストである以上、何かあれば店自体にも迷惑をかける事になる。






それにこんな無様な姿を誰にも知られたく無かった。






俺はどんな時でもカッコつけて弱さを誰にも見せた事など無かったから。