数分後。ようやく病室から一人の看護婦が出て来た。 「ぐっすりお眠りになってるみたいで…面会は明日の方が良さそうですね」 看護婦は俺に微笑みながら病室の扉をゆっくりと閉めた。 「分かりました。じゃあ…また明日にします」 俺は丁寧に看護婦に頭を下げて病院の出口の方へ向かった。 メールが来ていないか確認する為に携帯を取り出した時、遠くの方に信じ難い人物の姿が見えた。 ふわふわの髪。薄紫のドレス。折れそうなくらい細い体。 間違いなく麗華の姿だった…