《荷物を取りに帰るので遅くなります。ごめんなさい。》
麗華からのメールだった。
内容を確認した後、待ってる間に少し眠ろうかと考えているとまたすぐに携帯が震えた。
車のエンジンを切った後、通話ボタンを押してゆっくりと携帯を耳に当てた。
「どうした?」
電話を掛けてきたのは後輩の隼人(ハヤト)だった。
「琉依さん!実はオーナーが…」
「ん?オーナーがどうかした?」
焦った様子の隼人とは対照的に、また煙草を一本取り出して火を点けながら至って普通に聞いていた。
「…オーナーが倒れたんです!」
「え…それ、本当か?」
「はい…今、病院に向かってます!」
隼人の言葉を聞いてさっきまでの冷静さは完全に失われ無性に胸がざわついた。

