本気で冷たがる俺を見て麗華はただ嬉しそうに笑っていた。 俺もそれに釣られる様にして笑った。 普通に笑ったのなんか一体何年振りだろうか… もしかしたらこんな風に普通に自然と笑った事なんか一度も無かったのかもしれない。 凍る様に冷たい真冬の海で俺達は馬鹿みたいにはしゃいだ。 何も考えず訳も無く笑い合いながら。 ずぶ濡れになろうとも、それさえも気にせずに朝日が昇りきるまで…ずっとそんな時間が続いた。