「凌もこっち来て!」




麗華は砂浜の上で突っ立ったままの俺を笑顔で手招いていた。




「いいよ…俺は遠慮しとく」




こんな真冬に海になんか入ったら普通に寒いし風邪引くし…いいことなんて一つもねぇよ。




どうしてそんなに麗華がはしゃいでるのか。




まるで子供の様に楽しむ麗華を見て俺には絶対、真似出来ねぇなと思った。




ただの傍観者のままでいようとしていると…




「大丈夫だから、ほら!」




麗華は俺の腕を掴んで無理矢理海の中へと引っ張っていった。




「うわ…冷て…」




足を踏み入れた瞬間、痛みに近い様な冷たさが俺を襲った。