「実はあたしもね…一応<DOLLS>のNo.1なの」
「ふーん、そっか…」
凄いとか偉いとか…そんな褒め言葉は俺には言えない。
確かに簡単になれることじゃねぇけど…No.1って良いことばっかりじゃ無いって事くらいよく知ってるから。
「ごめんなさい…あたしね、凌に嘘…ついてた」
「…嘘…?」
突然、謝りだす莉奈を見ても俺には何の事なのか思い当たら無かった。
俺は女に嘘はつけても女の嘘を見破る事は出来ないらしい。
俯きながら謝る莉奈を見て俺は怒りや悲しみ…そんな感情すらなくただ驚いていた。
「本当は…あたし莉奈じゃない。莉奈はお店での名前で…麗華(レイカ)って名前が本名なの…」
「麗華…?」
驚きながらも俺は無意識の内に声に出していた。
真実を聞いても騙されたとか…そんな感情は全く起こらず、ただ純粋にいい名前だと思った。