心苦しそうな表情を浮かべる麗華を腕の中から離して俺はポケットから小さな箱を取り出した。









「…麗華、俺と結婚して欲しい」





麗華の目の前にさっきの小さな箱をゆっくりと差し出した。




プロポーズなんて一生する事は無いだろうと思っていた。




当然の事ながら麗華はただ驚いていて涙を滲ませた大きな瞳で俺をじっと見つめていた。




「これから3人で幸せに暮らしていこう」


「…っ凌…ありがとう…」




俺が差し出した小さな箱を受け取り涙を浮かべながら幸せそうに微笑んで俺に抱き着いた。




「俺が絶対に幸せにする。だから…もう泣くな」




麗華を強く引き寄せて約束を確かめる様に何度も唇を重ねた。





大切な…愛するたった一人の女をずっと永遠に守り続けていくと誓った。




ホストとしてではなく、一人の柳瀬凌という男として…




寒空の隙間からは真っ白な雪が降り始めていた。









―END―