――――…凌へ
お元気ですか?
私は元気でやっています。
黙ったまま出て行ってしまってごめんなさい。
本当はきちんと話をしたかった…
でも凌は優しいからこんな私の我が儘でも許してしまう気がしたから…どうしても言えなかった。
本当はあの時よりも少し前から妊娠に気づいてて…ずっと言え無くて…悩んでた。
あの人の子供だって分かったから…簡単には決められなかった。
凌の傍に居れるだけで私はとても幸せだった…だからこの子を諦めて凌と一緒に居る方が幸せになれるかもしれないって…そう思った。
だけど私なんかを選んでくれたお腹の子を見殺しになんか出来なくて…
やっぱり産みたい…私がずっと憧れていた幸せな家族を自分の力で作りたい…って。
だから、少し不安だけどこの子を産んで大切に育てていく事に決めました。
この子を産むと決めた以上…もう凌の傍には居られない。
今までずっと迷惑を掛けてきたのに…凌の幸せまでも奪えない。
私の傍に居ても辛いだけだと思うから…
だからもう私の事は忘れて下さい。
最後まで身勝手で本当にごめんなさい。
私もお腹の子供も元気に暮らしています。
だから、もう私の事は心配しないで凌は自分の事を大切にしていってね。
…私なんかを愛してくれてありがとう。
誰かに愛されたのなんて初めてだったから…凄く嬉しかった。
あの時は言えなかったけど…私も凌を愛してる。
今さらって思うかもしれないけど…それだけはどうしても言いたくて。
…凌、本当にありがとう。
―――――――――――麗華より

