汚れた天使












何の手掛かりも無いまま――――…そんな日々が続いていたある日。





仕事から帰った後、久しぶりに自分の家へと向かった。




ずっとここ数週間、仕事が終わればホテルに行くか誰かと飲みに行くか…そんな生活だったから自分の家には全く帰っていなかった。





ポストから溢れそうなくらい貯まりまくった大量の郵便物を手に抱えながら久々に玄関の戸を開けた。




殺風景の部屋はあの日のままで…より一層虚しさを醸し出していた。




手に持っていた郵便物を机の上に置いてシャワーでも浴びようかと思った時…ふと視線が止まった。




いつの間にか貯まっていたクレジットカードの明細書や電気・ガス代の請求書の中に、一通だけ一際目立った真っ白な便箋が混ざっていた。