隼人と共に向かったのは歌舞伎町のほぼ中央に位置するとあるキャバクラ。




目的はただ一つ。





「いらっしゃいませ。<Lovers>へようこそ」


「…この店に莉奈って名前の子、いる?」





…そう。俺は麗華を探す為にほぼ毎晩隼人と一緒にキャバクラ巡りを行っている。




もしかしたら麗華はまだこの街に居るかもしれない…そんな有りもしない甘い考えを抱きながら。




「申し訳ございません。当店にはその様な者は在籍していません」


「そっか…じゃあこの店のNo.1とか適当に付けといて」


「…かしこまりました」




返ってくる答えはいつも同じだった。




この街に居るはずがないと分かっていても…今の俺にはこうする事しか出来ない。




情けねぇけど麗華の居場所とか俺には見当も付かないから。