暫くして呼吸も整い始め落ち着きを取り戻した麗華がゆっくりと口を開いた。
「…凌…ごめんなさい。…あたし…妊娠してるの…」
予想していた事実にも言葉を返す事が出来ずただ黙ったまま強く麗華の肩を掴んだ。
「…妊娠2ヶ月だ…ってお医者さんには言われて…」
嗚咽と共に消え入りそうな声をこれ以上聞いていられ無くて…俺は唇を噛み締めながら麗華を自分の元へと強く引き寄せた。
麗華が言おうとしている言葉は俺にも分かる。分かるからこそ…麗華の口からは聞きたくない。
俺と麗華が出会ったのは丁度2ヶ月前。
麗華のお腹にいる子供が俺達の子供だとはとても考えられ無かった。
事実を言えば恐らく…この子供はあの男と麗華の子供だ。
またあの男が麗華の幸せを奪った…そう考えれば考えるほどとてつもない悔しさが襲った。