数分後。隼人が看護婦を連れて病室に戻って来た。
「では、お大事になさって下さいね」
俺の腕に繋がっていた管を抜き看護婦は軽くお辞儀をして病室を去って行った。
「じゃあ…また後日連絡する。それまでしっかり休めよ」
「琉依さんが戻って来るまで俺がちゃんと働きますからっ!」
「あぁ、よろしくな」
病室を出ていく隼人とオーナーを見送った後、立て掛けてあったスーツを羽織り俺も病室を出た。
いかにも病院らしい消毒液の匂いが漂う中、スーツから携帯を取り出した。
麗華の番号にダイヤルを回しながら今さら飲み過ぎでぶっ倒れた事を笑い話にでもしようと考えていた時――…
診察室の扉から出て来た一人の女が携帯を見つめながら呆然とした様子で立っていた。

