「そういうのは男に言われても意味ねぇーよ」


「あ、すみません…!!」




隼人は照れ笑いを浮かべながら何故か申し訳なさそうに謝っていた。




俺はまたその姿に笑い、隼人も俺につられて笑っていた。





「でもまぁ…ありがとな」




煙草を灰皿に押し付けた後、隼人の肩を軽くポンと叩いてそのまま店の玄関へ向かった。




隼人には本当に感謝している。文句も愚痴も零さずに俺を慕ってきてくれた事に。




凍てつく様な寒さを感じながら店の下で待ってる客に笑顔を向ける。




嘘をつき、作った表情を浮かべ、美味くもない酒を飲む事も…今は全てに意味がある。




俺には麗華がいる。そう思えば長かったはずの時間はあっという間に過ぎていった。