店のロビーで煙草を吸いながら客に誘いの電話を掛けていた時




「珍しいっすね。琉依さんがコールするなんて」


「そうか?俺だってこれぐらいの事はいつもしてるけどなー」




俺の隣に腰を下ろしながら疑いの眼差しを向ける隼人。



軽く受け流してはいるが、確かに隼人の言う通り俺は普段自分から客に連絡する事は殆ど無い。




長い付き合いになる隼人には少しの変化さえも気付かれてしまう様だった。




「琉依さん、何かあったんですか?」


「…いや、別に何もねぇけど」


「何か…前にも増して格好良くなった気がします!」




瞳を輝かせながら真剣な表情で言い放つ隼人を見て俺はただ笑わずにはいられなかった。