二人で麗華が作ってくれた昼ご飯を食べた後、真っ黒のスーツを羽織りいつもの様に髪をセットした。
夕日が沈みかける頃、また俺は琉依として夜の街へと向かう。
「行ってらっしゃーい」
「じゃ、行ってきます」
平凡な言葉を交わして俺は玄関の外へ足を踏み出した。
笑顔で見送る麗華の姿を残したまま車に乗り込み行き慣れた夜の街へと車を向かわせた。
冬の香りが充満する街はより一層ネオンの光を際立たせていた。
店の前にある写真の下にあるNo.1の文字を指でなぞりながら心に固く誓った。
必ずNo.1であり続ける…と。
金の為でも自分自身のプライドなんかの為でもなく…大切なものを守る為に。

