「凌…ごめんね。お金は必ず返すから…」
「金の心配なんかしなくていいって。もう全部終わった事だろ?」
そう…もう全て終わったんだ…
だからもうそんな悲しい表情…して欲しくねぇよ。
恩とか罪悪感とか全て忘れて…ただ普通に笑えるようになって欲しい。それが俺の望む事だから。
「ありがとう…本当に…ありがとう…っ」
「…分かったから、もう泣くなって」
また涙を流す麗華の頭を撫でながら思わず幸せな笑みがこぼれた。
ありがとうと言いながら泣く麗華をただ心から愛しいと感じた。
いつも綺麗な涙を流しながら謝っていた麗華がようやく感謝の言葉を口にした。
頬にゆっくりと流れる涙に触れながらそっと瞼にキスをした。
ふわりと揺れる髪に触れながら、大きな瞳で俺を真っ直ぐに見つめる麗華をそっと抱きしめた。
そう…まるで壊れ物を扱うかの様に優しく…