俺のマンションに着いた時にはもう既に遠くの方から朝陽が上り始めていた。
まだ僅かに震える麗華を支えながらそのままソファーへと座らせた。
涙が伝う頬には少し血が滲み暗闇で気付か無かったが、その肌には無数の傷跡が潜んでいた。
「…ごめん、麗華…」
痛々しいその頬にそっと触れた。
もっと気をつけるべきだった。俺がもう少し早く気づいていれば…麗華はこんなにも傷付かずに済んだ。
俺にはまだ大切なものを守る強さが足りなかった。
今まで大切なものなど俺の中に存在しなかったから…
どうやったら大切なものを守れるのか…守る方法さえも知らなかった。