「何すんだよ、てめぇ!!」




まだ怒りが収まらない俺はふらつきながら立ち上がった男の胸倉を掴み壁に叩きつけた。




麗華の傷がまた増えていく…それを守ってやれなかった自分の無力さがただ情けなくて…男を掴む腕に力が込もる。




それでも尚、男は表情を変えずに俺を睨み続けていた。





「お前の目的は一体何なんだよ。麗華をこんなに傷つけて楽しいか…?」




麗華の身も心も…全てを壊してまでこの男が手に入れたいものは一体何なのか。




例えそれが金だろうと何だろうとそこまでして手に入れた所で幸せになれるだろうか。




俺には全く理解出来ない。




俺はただもうこれ以上麗華が傷ついていくのには耐えられ無かった。




麗華を守ろうとして結局は守り抜け無かった…それがただ悔しく…この男に対する怒りが募るばかりだった。