「な、んで…気付いてやれなかったんだ…」

若附君はずっとそう呟いていた。

「大丈夫か……?」

ふらふらしながら私のもとへと歩み寄ってきた魁人。

「うん、っていうか魁人のほうが大丈夫じゃないでしょ…?」

おでこに手を当てるとすごく熱かった。

「無理してまで助けてくれてありがと…っ」

小さくつぶやいた私は魁人に触れるだけの軽いキスをした。

少し目を見開いた魁人だったけど、そのあと倒れてしまった。