雨粒のように、離れ離れに天から堕ちてきた僕ら。

ベッドという硝子の上で、絡まりながらひとつになった。

触れては混じり合う。

手を繋ぎ、溶け合いながら、僕は窓枠の向こう側を見た。

窓硝子には、白いシャツがぼんやりと灯りのように写っている。

溺れそうな吐息の中、僕のもがくように伸ばした指へ、颯が静かに唇を寄せ。

小さく囁く。

「    」

微かな呟きは、白濁とした僕の意識に刻まれずに。

微睡みの中へと沈んでいった。



[了]