「はな…ごめん」


突然、降って沸いた別れの言葉

理解できないまま。
どうやって歩いたのかな?
気付いたら 雨の中
傘なんて便利な物もささないままになんとか駅前まで辿り着いていた。

さっきまで、「もうすぐ、先輩に会える♪」って
ウキウキ足取りも軽やかに、、この道を通ってた。

いつも通り、学校が終わって、2年の廊下を走り抜けて・・・
うちの高校では禁止されてるバイト。さっさと終わらせて

先輩に会える一心で改札を出て。せっかく梳かした髪も、既にぐしゃぐしゃ。
だけど
「会いたくて」

勢い良く先輩の部屋の扉をあけた私に
残酷な言葉。


人間って我慢できない痛みには脳内麻酔が分泌されて夢か現(うつつ)かわからない状態になるんだって。
まさしく、そんな感じ?見慣れた いつもの駅の風景。
彼の部屋から、歩くと20分はかかる道程を私は全く記憶喪失なんだ。

この時間…バイトが終わった21時頃。何の変哲もないいつもの駅なのに、この瞬間は何だか違って見える。