戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~

とんでもないことが起きた。部長がわざわざ足を運んでくださるだなんて前代未聞だ(と思う)。


いくら私が車体部の課担当であるとはいえ、それは部長自らが出向くほどのことではない。そう、私は職制のある男性社員でもなければ正社員でもない。ただの派遣社員だ。加えて、部長と私との間の接点なんて誰も思いつかないだろう。


………信じられない!


一階の会議室を後にして足早に二階へ向かう。その道すがら大川君が早回しで説明してくれた。平野部長は原価Gのデスクのある所へ突然現れたらしい。


「三島さんたちが今、ミーティング中だと話すと室長が急いで三島さんを呼んでくるようにと。呼んでくる間は室長がお相手をしてくださっています」


二階のフロアにたどり着くと、そこには確かに平野部長がいた。うちの室長とまるでご近所の立ち話のような雰囲気で談笑をしている。そして、そんな二人を周りの社員たちがチラチラと盗み見をしている。


てか、本当にいるし!!


私が一瞬、腰が引けて思わず立ち止まりそうになった瞬間に、室長が私に気が付いた。部長に何か言ったのか部長が続いて振り返る。


まるでお相撲さんのようなにこやかな笑顔が私に向けられたのだ。