「ごめんな、いつも話聞いてもらっちゃって」 「まぁまぁ、気にしないでくださいよ。私も聞くだけしかできないんですから」 少し元気になった岩原GMがイスを座り直す。 「先週末さぁ、久しぶりに何の予定もなかったから家に居たわけ。そしたら俺、嫁さんの前で泣いちゃった」 「あれま」 あれまって…オバチャンだな、私。 なんて一人ツッコミしている私の傍ら、岩原GMは飲み終えた缶コーヒーをもてあそびながら話し続ける。