◆ お通夜も終わり、バラバラと帰って行く人よりも少し遅れて駐車場へ向かう。エンジンもかけず、冷たい窓に頭をくっつけながらしばらくぼうっとしてみた。 家に帰る気分じゃなかった。 時計を見れば、まだ8時前だ。 真っ暗な車中、私の顔を照らすケータイをしばらく眺めた後。 あまり深く考えないまま私はケータイの履歴を開いていた。 『…もしもし、咲さん?』 「もしもし、ハットリ君? 今、平気?」