「先生っ!あたし今日誕生日なんだよ!」
「おぉーマジで?俺明日誕生日だぞ」
「そぉなの?!すごい偶然☆
じゃあ、星座も一緒だよね?今日占い1位だったよっ」
「俺ら、ラッキーじゃん!」
最初の授業をしたあの日から、あいつは俺によく話しかけてくれる。
わかってるんだ。
あいつは生徒で俺は教師。
あいつは俺を教師として慕ってくれているだけだって。
だから俺も他の生徒と同じようにあいつに接しなきゃいけない。
それでも、あいつの顔を見ると話しかけたくなる。
俺の前で笑ってほしいって思うんだ。
「お前、今日遅刻しただろ?」
「げっ、なんで知ってんの?」
「職員室からお前が走って玄関入っていくの見えたから(笑)」
俺は、こんな毎日がずっと続けばいいと思っていた。

