「いや、そうじゃなくて!
なんでここにいるの!」
「あー、なんとなくお前がここにいる気がして」
並んで外を眺める。
…ここにいる気がしたってのも嘘じゃないけど。
「というか、ここにいてほしかった」
それが本音。
あいつの顔を覗き込んでみると、明らかに動揺している。
そんなまっすぐなところがまた愛しくて。
思わずからかいたくなる。
「お前、わかりやすいよな。
“なんで?”って顔に書いてある」
「…やだっ、ちょっと今あたしの顔見ないで!絶対赤いから!」
「どうせ、夕焼けの色で赤くなってんだから今更変わんないって」
やっぱり、俺。
ちゃんと言葉で伝えたい。
俺の気持ち、聞いてくれる?

