顔を見られたくないと言ったあいつ。





俺が抱きしめてれば、顔なんて見えない。






だからあたふたしながら顔を上げようとしたあいつに言った。







「こうすれば顔見えないから。




だから、泣きたいときは思いっきり泣けばいい」







俺なんかのことを気にして、泣くことを我慢するなって。





少なくとも今は俺がいる。







我慢なんてしなくていいから。








泣いているあいつの頭をなでてやると、少し落ち着いたのか顔を上げて「ありがとう」と笑ってくれた。








…俺、やっぱりこいつのことが大好きだ。







ミルクティーを飲みながら、また顔を赤くさせてるあいつ。






俺の気持ち、あいつに伝わってるかな?





伝えるわけにはいかないけど、俺の気持ちは知っててほしい。





それってわがままなのか?





「あのさ。」





俺は一か八かの賭けに出た。