病室で眠る親子。
母親に命の別状がないとわかった途端、今度はあいつが気を失った。
よっぽど心配だったんだろうな。
あいつの顔を見ていると、やっぱり愛しくて。
俺も教師失格だなぁ…。
そう考えてるとカーテン越しに母親が起きる気配を感じて、俺はそっちに移動した。
「目が覚めましたか?」
「…あなたは?」
「娘さんの教科担当をしています。
今日はたまたま授業がなかったので、彼女を病院まで連れてきました」
今のあいつの状態、そして母親の話をゆっくりゆっくり聞いた。
「先生、私は娘と2人でやっていけるでしょうか…。
あの人のいない世の中なんて考えられなくて。」
きっと2人ともわかってるんだ。
お互いの存在が必要なんだって。
それでも、現実を受け入れることができなくて。
ずっとずっと苦しんでいたんだ。
そんな2人に俺ができること。
「僕は、彼女が持っている力を信じていますよ」

