「やっぱり……カレーに鯖は駄目だよね……慶太が喜んでくれるかなって思ったから……」

そんなに潤んだ瞳で言われるとマズい。

「いや…あの…そういうのじゃなくって…一生懸命作ってくれてありがとうって言いたかったんだよね。」
ついつい、本音を言えずにいてしまうじゃないか。


「本当に?」

そう上目使いで見ないでくれ。

「本当だよ。」

と、微笑むしかないじゃないか。


すると、凜は嬉しそうに笑って、

「嬉しいなぁ!じゃあいっぱい食べてね!」

と、ご飯の乗った皿にドカッとカレールーをまとった鯖を盛ってくれた。