「情報が入ってこないから、政治だったり世界の動きもよく分かんなくなっちゃうし、結婚して子供が出来たときテレビ見せないなんて可哀想でしょ?」

『ククッッッいつの間に大人になったんだい?それに結婚願望あったんだね』

「私だって少しずつ成長してるんだから。それに、強い結婚願望があるわけじゃないけど、子供は好きだから…」

『だったら、俺との将来を考えてくれない?』

「えっ?」



コーヒーを飲みながら笑顔でサラッと言うもんだから、私は余計驚いてしまった。


聖也はいつもなんの前触れもなく突然驚くことを言う。


話の流れで思わず返事をしちゃいそうになる。



『一緒にここで暮らさないか?』

「大好きな1人の時間なくなっちゃうよ?」

『愛莉といられるならそれでもいいよ。それに、愛莉といても疲れないんだ。むしろ癒されてるよ』



聖也はきっと本当にそう思ってくれているんだろうなと思った。


私は聖也にたくさんの嘘と秘密を抱えていることに対して、初めて罪悪感を覚えた。



「……考えとく」



いつか、聖也に話せる日が来るのかな…。