蓮の温もりに包まれる。


離れようとしても離してくれない。



「ッッ蓮!?」

『よく分かんねぇけど、大丈夫。大丈夫だから…』

「ッッ!!」



なによ…年下のくせに…。


蓮の温もりがどんどん体の中に染み渡る感じがする。


お願いだから…私の中に入ってこないで…。


そう思いながらも、蓮にこのまますがれたら…なんて思っている私がいる。



ブーブーブー…


『ケータイ鳴ってる』

「…いい」



たぶん家族の誰かだろう…。


言い訳でもしたいんだろうか。


家族を信用できなくなったのは、いつからだろう…。


あぁ、そうだ…俳優という職業を理解したときからだ…。